「その科学が成功を決める」のメモ

その科学が成功を決める」を読んだ。

帯の「それでも啓蒙書を読みますか?」の問いが刺激的。多くの啓蒙書は化学的な根拠に乏しいことが多い。個人の成功という根拠に頼るのではなく、論理的・客観的にモノゴトを判断することが大事だという、それはもっともだということが主旨。

自己啓発や人間心理で信じられていることを、心理学の研究成果から徹底して検証したいる。とても関心を引く書きぶりで、気楽に面白く読めた。誰かに話したくなるようなネタもちらほらある。とりあえずダイエット(P.177)を実践してみるか。

莫大な数の被験者を対象群・非対象群にわけ、徹底してデータを収集し、客観的に分析する。それが科学だ。幸福、成功、自己実現、決断、子どもの教育、さまざまな分野で、一流科学誌に発表された実験の数々をもとに本当に科学的な「自己啓発」のヒントを具体的にあたえる。

以下に読書メモ。
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僕とパニック障害

僕はパニック障害(*1)かもしれない。

はじまり
2005年の秋、ある発作が頻繁に起きるようになった。これを言葉で説明するのは難しい。とにかく感情と情景が頭に溢れ動けなくなる。横断歩道を渡っている途中でも次の一歩が踏み出せなくなり、職場で人から声をかけられても反応することができなくなった。追い詰められて心療内科へ駆け込んだ。

その時、問診表の「特に困っている症状」欄に書いたこと。

  • 急に不思議な感情や情景がわく
  • 強い不安、恐怖
  • 動けなくなる
  • 過去に経験したように思うが、記憶と結びつかないので、とても混乱する

カウンセラーと30分、さらに先生も交えて30分のカウンセリング。病名は告げられなかったが、仕事の忙しさと睡眠に問題があると指摘された。抗うつ薬と睡眠薬が処方されたので、勝手に自分はウツになったのだと思った。意味も判らない病ではなく、確かに多忙な時期だったので、正直ほっとしたことを覚えている。

だが違和感もあった。発作への恐れから職場へ通い難くはなったが、無気力ではなかった。この頃は知人のベンチャーを起す手伝いをしており、自分自身も出資者の一人であったので、辛くても意欲的なつもりだったからだ。僕は本当にウツなのだろうかと。
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脳の中の「私」はなぜ見つからないのか?

脳の中の「私」はなぜ見つからないのか? ~ロボティクス研究者が見た脳と心の思想史

「私」とか「自由意志」は幻想にすぎない?ロボット研究者という工学者である著者が、著者の研究の過程でたどりついた結論、受動意識仮説に関して語る。仮説ではあるけど無視できないほど研究されている。ちょっと恐ろしくもある。

つぎはぎだらけの脳と心

つぎはぎだらけの脳と心―脳の進化は、いかに愛、記憶、夢、神をもたらしたのか?

脳は不完全で非合理、寄せ集めと間に合せによって今のカタチになった、という脳科学の入門と、「脳の進化は、いかに愛、記憶、夢、神をもたらしたのか?」が語られる。一冊にして濃い内容がいい。これを読むと知的設計論(比喩を楽しんで!)は信じられなくなる。

脳のなかのワンダーランド

脳のなかのワンダーランド

脳障害や特異な症例から脳の仕組みを解明する。専門的知識は不要で、丁寧に面白く語ってくれる。原題の「The Burning House」燃え上がる家の事例をはじめ、好奇心が踊らされるユニークな内容。脳の不思議に興味があれば飽くことなく読める。

進化しすぎた脳

進化しすぎた脳

脳学者である著者と中高生との対話形式は、難解な科学を解説するのに優れた手法だ。脳は体を/体は脳をコントロールしている、見るとはものを歪める行為、脳も複雑系であるなど内容も興味深い。著書の「人間の脳がそんな簡単にわかってたまるかと」の言葉が印象的だった。

失われた私

失われた私(多重人格シビルの記録)

「17人のわたし」の感想のコメントで知った本。いわゆる多重人格もの。ダニエル・キイスの「24人のビリー・ミリガン」よりも刊行が古い。

16の人格を持つ解離性同一性障害の女性シビルの生涯を描いた一冊。小説の形をとるが、実在する女性を診療した精神分析医の手配から著者が書き起こしているので、ノンフィクションである。

たいへんにドラマティック。他の人格を拒否していたシビルが、やがてそれらを受け入れ、統合へ歩を進める様子は感動的。治療を終えたシビルが、自らの苦難を振り返り、決してそれを否定していないことに私は深く心を動かされた。

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす才能を利

良書。

「じぶん」と読ませているように、自分が持っているものを強みとし、決してマイナスには捉えない点が良かった。その強みをどう生かしていくかについては、ほとんど触れられないので中途半端な感じ。因みに僕の強みは、「内省」「適応性」「収集心」「共感性」「運命思考」だった。マイナスには捉えないけどさ…これをプラス方向のみで生かすのも大変そう。少なくとも今のビジネス上で考えるのは難しいな。生き方を変えるかね。

「17人のわたし―ある多重人格女性の記録」を読んだ

17人のわたし―ある多重人格女性の記録
リチャード・ベア
★★★★☆
Masamichi Shimomura

虐待で多重人格障害となった女性が、精神科医の助けにより人格を統合するノンフィクション。不謹慎だが、そこらの小説よりよほど衝撃的で面白い。凄惨な内容なのに、次々と好奇心が沸いてきて読むことをやめられないほどだった。

「24人のビリー・ミリガン」とは違った視点で描かれている。同等に読んで良かったと思う名著。

「危ない呑み方・正しい呑み方」を読んだ

危ない呑み方・正しい呑み方
仮屋暢聡
★☆☆☆☆
Masamichi Shimomura

表題の通りアルコール依存症に関わる書。入門書として普通。うつ病とアルコールについて章を割いているところはよかった。流行を知るためにこの手の本は定期的に読む。お酒を呑みながら。