梅田望夫の選ぶ「ウェブ時代 5つの定理」を読む

梅田望夫「ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!」を読む。

IT業界で働いていると、とりあえず読むべしなので読んだ。大きな章立は、

  • まえがき――私の勉強法
  • 第1定理 アントレナーシップ
  • 第2定理 チーム力
  • 第3定理 技術屋の眼
  • 第4定理 グーグリネス
  • 第5定理 大人の流儀
  • あとがき――私の最終定理

とりあえず、まえがきが上手に本書を要約している。ここだけでも立ち読みする価値あり。

第4定理のグーグル命的なところには相変わらず抵抗感を覚える。頭が良くないと何もできないのだよ凡人ども、って言われているようで。僕はどうすれば良いですか?その疑問に対する答えが一切ないのは痛い。

全体的には、副題にある「未来」を切り開く言葉というより、「これまで」のIT文化を切り開いてきた言葉。それを梅田氏が選んで編集した本といった印象。ことさら、偉大な思想。大きな夢。実現を疑わない信念。それらがくり返し語られる。そうした金言集として読むにはお薦めの一冊。

ただ、ご自身の意見をぶっちゃけていた頃と比べて、物足りなさを覚えた。この激動の中で何か変化があったのだろうか。そろそろ執筆活動も一段落付けると仰っているので、有終の美を飾ったのだろうか。

日本に期待して「ウェブ国産力」を読む

佐々木俊尚 「ウェブ国産力 日の丸ITが世界を制す」を読む。

これからの日本がIT分野をリードすると期待している人が書いたもの。表題に期待するほどウェブ動向を網羅したものではない。ただ、とりあげられる話題は面白い。有名人との対談もあるし。

例えば、Googleがウェブ検索を基に発展して、コモディティ化した分野にどう対抗するか?または変わる技術は生まれるのか?日本に限らず、昨今のMS+Yahoo!が実現したとしても、果たしてそれは可能なのか?情報社会において、検索とは不可欠なもの。情報を見つけるためのキーワードに、どこまで「個人」を絡めていくのかが課題。

個人情報を守りつつ、個人のニーズをどこまで反映させるか…

お財布ケータイによる支払で趣向を分析する→駅の改札やGPSで居場所を特定する(当然、それが平日の夜か、週末か、などの時間は判る)→その個人にとって、その場所、その時に有益な情報がメールで手元に届く、そんな検索の自動化。

…問題や課題はたくさんある。でもIT分野に携わっている人には日常的で具体的な話。興味があれば楽しい。

押さえておこう「ウェブを変える10の破壊的トレンド」を読む

渡辺弘美「ウェブを変える10の破壊的トレンド」を読む。

今すぐ読むべし。特にWebに関わりの深い仕事をしている人。

仕事で触れている潮流なので、だいたい知っている。でもきっと見落としていたものに気が付く。また、たいして評価していなかったものを見直す。何より、書籍という形が「ウェブのトレンド」という広大な世界の要素を結びつけてくれる。

(参考)本書中で紹介されるURLの一覧:破壊的トレンド

梅田本「ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか」を読む

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか」を読む。

発売から2日も経つのに、Amazonレビューが1件もない。下手にレビューしたら叩かれそうで怖いのか、読んだ人たちの心が揺さぶられていているのか…

僕の場合、同著者による「シリコンバレーは私をどう変えたか」に感銘を受け、まさかの機会にお話をさせて頂いたことがあるので、梅田信者である。熱くなってしまった。

直感的なことだけ。「リアル世界」の一部にバーチャルな「ネット世界」がある、というのが一般的な考え方だと思う。しかし、「ネット世界」を「もうひとつの地球」として、もっと大きなことをやろうよ。そんな気概を感じる。ネットリテラシーを身に付け、国家、民族を超えた人類の明日を築こう!ってな。大げさかな。啓蒙っぽい。

先ずは飛ばし読んだので、Web上での論議を見て、少し間を置いて再読しようと思う。

僕も疎かった「大人が知らない携帯サイトの世界」を読む

大人が知らない携帯サイトの世界 ~PCとは全く違うもう1つのネット文化」を読む。

仕事半分、興味半分。つい最近まで「情報格差」といわれるものを信じていた。それは、PCを持つ人と持たない(持てない)人の差。ケータイでWebサービスを利用できるようになったからって、まだまだPCには及ばない。そんな、一元論的視点…オヤジ化する自分が嫌だね。

ユーザインターフェイスの弱さ故、略し言葉、そっけない文書を駆使するコミュニケーションが生まれている。街中や電車で片時もケータイを離さない人々は、たえず人と繋がっている。また、音楽、ゲーム、ニュースなど世界中のコンテンツと繋がっている。言葉通り、コミュニケーションツールを携帯しているのだ。

すでにPCサイトとケータイサイトでは比較文化論を語れるほどの違いがあると実感した。PCとケータイの違いが、世代の違いと同義語になりつつあることが怖い。お互いに歩み寄らないと、こんなところからもジェネレーションギャップが生まれてしまう。

「ソーシャル・ウェブ入門―Google、mixi、ブログ…新しいWeb世界の歩き方」を読む

ソーシャル・ウェブ入門―Google、mixi、ブログ…新しいWeb世界の歩き方」を読む。

読んで、後輩に「今すぐ読んでおけ」と言っている。今読むことに意味がある。今読めば役に立つ。仕事の流行はちゃんと捉えておくべき…という意味で、Web関連同業者、または、はったりが必要な方に強く薦める。超薄く(240ページ)、内容は濃く、これでアナタも事情通。

目次はこんなん(概要)。

まえがき

  1. 新しいWebワールドへようこそ
    1. Webは社会のライフラインになってきた
    2. Web2.0―すべてはオライリー論文から始まった
    3. Googleという巨大な現実
  2. とうとう世界が変わり始めた
    1. 変化の核心には「人間」がある
    2. 群集の英知―知恵の民主主義が機能するのはゆるぎない現実
    3. 集団の愚行から学ぶ「みんなの意見が案外正しい」ための条件
    4. すべての秘密がWeb上に―プライバシーの憂鬱
  3. すべてのソーシャルWebのインフラ―Google
    1. Google検索のABC
    2. メールの未来形Gmailを使おう
    3. 現在のアドレスをそのままにGmailを利用する
    4. あらゆるコンピューティングが次第にWebサービスに統合される
    5. Google Docsでオフィス系アプリがオンラインへ
    6. 常時接続、常時起動で快適Webライフ
  4. 情報共有系サービス
    1. ユーザー投票で記事を選ぶソーシャルニュース
    2. ソーシャルサービス入門ブックマーク篇
    3. YouTubeのソーシャル共有パワーの秘密
    4. GoogleのYouTube買収でテレビ、映画のインターネット移行は急加速か
    5. クリエティブ・コモンズ―Webでの流通を前提としたオープン著作権の試み
  5. 人間交流系サービス
    1. ソーシャルネットワーク(SNS)小史
    2. スーパーSNS、MySpace現地ティーンを取材
    3. mixi入門―日本の大人のご近所づきあい
    4. 2ちゃんねるとSNS 破壊的革新対居心地よい保守
  6. 情報発信系サービス
    1. Webはブログの登場でメディアとして完成した
    2. ブログ購読はRSSフィードリーダーの利用が必須
    3. ウェブフィードリーダーBloglinesを活用しよう
    4. 最初のブログ―種類と選び方のポイント
    5. ダイナミックなブログネットワークを作るツール
    6. ブログ作成―実戦篇
  7. グーテンベルク以来のメディア革命が進行中
    1. WebのOS化でWindows Vistaは最後のWindowsとなる?
    2. 「Webのプラットフォーム化」はこうして起きた
    3. オールドメディアの本流、CBSの果敢な挑戦
    4. 「ソーシャルWeb」は「Web社会」へ、さらにその向こうへと進化中

巻末資料 おすすめの本とブログ

判るぞ、若者(後輩)。流行過ぎている内容はフツーに思えて嫌な気持ち。でも僕らの仕事はとっくに先端ではなく、一般的なニーズの上に成り立ってる。相手(客)は、これらのことを知った上で僕らに当たってくるんだから、とりあえず読んどけ、と。

「インターネットは誰のものか 崩れ始めたネット世界の秩序」を読む

インターネットは誰のものか 崩れ始めたネット世界の秩序」を読む。

インターネットの一部を生業としている僕が、お客さんと話をする時に使う言い回しがある。「今は、テレビが目標。電源を入れてチャンネルを変えるだけで、多種多用な情報が手に入る。それがインターネットのあるべき姿ですよ」と。裏側で何がどう動いているか知らなくても使える物であること、それが理想。本当は利用するだけの人は知らなくて良い領域。

しかし、文字と印刷の発明と肩を並べるほどのインターネットという情報技術は、これまでになかった速度で発展している。熱く。発信する側より、受取る側のニーズが次々と反映していく。

今、生活の基盤となったインターネットが、実は多くの問題点を孕んでいると知ることができる一冊。元々関心のある人にとっては常識であることが、このように知らなくても良い人達を前提に判り易く書かれた本が出ていることを知って、焦燥感を覚える。

「ユーザ中心ウェブサイト戦略 仮説検証アプローチによるユーザビリティサイエンスの実践」を読む

ユーザ中心ウェブサイト戦略 仮説検証アプローチによるユーザビリティサイエンスの実践」を読む。

Web作成のプロであるなら知って然るべきことが書かれている入門書。丁寧にまとめられていたので新人に読ませるには良い。

実際の現場に置き換えた時、耳が痛いのはユーザビリティの検証テストの部分。本書内でも、テストはコストなのか?と問題提起していて、後から修正コストを考えれば先にテストしておくべきと結論している。でも、納期もあるしなあ。何より、修正や運用まで仕事をもらえてやっと採算が取れるような案件が増えている昨今、なかなか実戦できない。

とりあえず、また口達者になれた一冊。

アンビエント・ファインダビリティ

アンビエント・ファインダビリティ」を読む。

どんなに有益な情報がネットワーク上に存在していたとしても、ユーザが見つけることができなければ、何の意味もありません。

表題の2単語でこの本の価値が判る。どちらも聞きなれないので咀嚼してみる。アンビエント…意識しなくても何かしてくれる存在。ファインダビリティ…情報の見つかりやすさ、検索されやすさ。これを合わせた、アンビエント・ファインダビリティ…人の居場所、モノのありかをいつでもどこでも見つけることができる人に有益なもの。

発行は昨年の4月。もっと早く読んでおけば、この1年の仕事がさらに良いものになったな。これから生かす。

Webを切り口に書かれているけど、「ネット」と「リアル」という、まだ何となく存在する壁を取り払ってくれるような一冊。面白かった。未来を覗くとワクワクする。

我らクレイジー・エンジニア主義

我らクレイジー・エンジニア主義」を読む。

理系の怪人15名が語る、発想の秘密、あり得ない日常生活。

「それがぼくには楽しかったから」(リーナス)系の面白さを持った一冊。夢と希望に溢れる青年にお薦め。僕はもう真似する気も起こらないけど…努力も苦労も感じないほど打ち込める何かを持つ人って羨ましい。